2023年10月25日の経産省のニュースリリースです。
グリーンイノベーション基金事業「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクトについて、募集した結果のお知らせです。
本ニュースでは、具体的な実施者の名前は記載されていませんが、従来からの既存プロジェクトの実施者に決定したようです。
グリーンイノベーション基金事業「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画の改定に係る実施可能性調査の結果をお知らせします
現在、グリーンイノベーション基金事業「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクトを加速させるため、研究開発・社会実装計画の改定を検討しております。ここでは、9月4日(月曜日)にご案内した、改定後の研究開発・社会実装計画に基づく研究開発の実施可能性調査の結果をお知らせいたします。
1.調査結果
9月4日(月曜日)から10月3日(火曜日)までの調査期間において、以下のとおり応募がございました。
研究開発項目1-②(外部水素や高炉排ガスに含まれるCO2を活用した低炭素化技術等の開発) 応募:1件
研究開発項目2-①(直接水素還元技術の開発) 応募:1件
研究開発項目2-②(直接還元鉄を活用した電炉の不純物除去技術開発(不純物対策、大型化、効率化)) 応募:1件※ いずれも既存プロジェクトに取り組む実施者からの応募。
各項目への応募者数がいずれも1者だったため、公募は実施しないことといたします。
2.関連資料
本調査概要はこちらをご参照下さい。
グリーンイノベーション基金事業「製鉄プロセスにおける水素活用」プロジェクトとは?
事業背景・目的
社会の基盤となる製品の材料を供給する鉄鋼業は、製造過程で CO2を多く排出することが課題となっ
ており、実際、鉄鋼業は産業部門全体の 40%もの CO2を排出しています。
鉄鋼業におけるカーボンニュートラル実現のためには、原料や還元剤において化石燃料から脱却するという、製鉄プロセスそのものの抜本的な転換が求められており、現在、鉄鉱石の還元に炭素ではなく水素を用いる水素還元製鉄の研究が各国で進められています。しかし、世界的に見ても未だ実用化の例は
無く、欧州やアジアの各国も実用化を見据えた技術開発を進めているところです。
本プロジェクトでは、将来的に安価かつ大量の水素供給基盤が確立されることを見据え、水素還元製
鉄技術を始めとした脱炭素技術の確立と社会実装に向けた研究開発を行うことを目的としてます。
詳細は、以下の経産省の資料をご覧ください。
より詳細はNEDOのサイトに掲載
グリーンイノベーション基金のプロジェクトは、経産省が管轄するNEDO(国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構)のサイトに記載があります。
こちらを見ると既存のプロジェクトには、
・日本製鉄株式会社
・JFE スチール株式会社
・株式会社神戸製鋼所
・一般財団法人金属系材料研究開発センター
が参画しているようなので、今回のニュースにも関連していると推測されます。
参考までに、水素還元製鉄プロセスのイメージ図を掲載します。