TAROさんの「心」と「地球」にやさしいblog

企業の環境担当者や若手ビジネスパーソンのために、環境法令の解説や仕事で使えるスキル、メンタル系の記事を書いています

【初心者向け】産業廃棄物のマニフェストとは?実務経験者がその流れや書き方を簡単に解説!

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例えば、こんな悩みありませんか?
・産業廃棄物のマニフェストについて簡単に知りたい
マニフェストの具体的な書き方を知りたい

・法律や自治体のサイトを見てもよくわからない
廃棄物処理法について一から学びたい

 

今回はこんな悩みを解決します。

 

本記事の内容

 

この記事を読み終わった後は、マニフェストの仕組みや書き方ついて、理解が深まり、実務に活かせるはずです。

 

ちなみに私TAROさんですが、こんなキャリアがあります。

 

廃棄物処理法の許可事務などの実務経験

・複数の企業や行政との廃棄物に関する相談、コンサル経験

廃棄物処理施設技術管理者の有資格者

・学生時代の研究はプラスチックのリサイクル

 

※ そもそも産業廃棄物とは何か確認したい方はこちらをご覧ください。

tarokankyo.com

 

 

産業廃棄物のマニフェストとは?

マニフェストの目的

ゴミがちゃんと処分されたか管理するもの

マニフェストとは、正式には「産業廃棄物管理票」といいます。

つまり、産業廃棄物を管理するための伝票のこと。

 

なぜこんな伝票を使って管理しなければならないの?

 

それは「排出事業者責任」があるからです

 

つまり、ゴミを出した会社など(排出事業者)は、きちんと最後まで処分されるまで責任をもたなければならないのです。

環境省_排出事業者責任の徹底について

 

万が一、処理業者が、引き取ったゴミを不法投棄でもしたら・・・ゴミを出した会社にまで影響が及ぶというものなんです。

不法投棄

実際、不法投棄はあとを絶ちません。

もちろん不法投棄した者が罰せられますが、原状回復にはゴミを出した会社に及ぶことも十分考えられます。

 

なので、処理業者が引き取ったあとも「ちゃんと処分場まで運ばれたか」「ちゃんと処分場で処分されたか」確認する必要があります。

 

その時使うのがこのマニフェストという伝票です

 

この伝票は紙と電子(パソコン)があり、いずれかを使います。ちなみに、環境省は電子を推しており、場合によっては電子が義務化されているケースもあります(有料)。

(ちなみに一般廃棄物にはマニフェストは不要です)

 

マニフェストの制度についての詳細は環境省の通知をご覧ください

https://www.env.go.jp/hourei/add/k033.pdf

 

それでは具体的な流れと書き方について解説します。

 

 

マニフェストの流れと書き方

マニフェストの流れ

マニフェストの流れは、産業廃棄物の受け渡しの流れに沿って「交付」するとともに、運搬や処分終了時に、排出事業者に「返却」される仕組みです(返却には期限がある)。

 

便宜上、紙マニフェストは7枚複写式になっているものが主流であり、関係団体などが販売しています(有料)。
 
また、各伝票には名前があります。
A票、B1票、B2票、C1票、C2票、D票、E票
これら一式がつづられており、一番上にあるのがA票です。
 
その流れを図にまとめるとこのようになります。

マニフェストフロー

それぞれ解説します。
 
①排出事業者
排出事業者は、産業廃棄物を収集運搬業者に渡すときに、一緒にマニフェストも渡します。
 
その際、マニフェストの一番上の伝票(A票)に必要事項を記入し、そのA票だけを取り外し、控えとして保管しておきます。
 
ちなみにこのマニフェスト5年間の保存義務があるので大切に保管してください。
 
②収集運搬業者
次に収集運搬業者は、産業廃棄物を処分場(中間処理業者)に渡すときに、排出事業者から預かったマニフェストも渡します。
 
その際、収集運搬業者は、B1票とB2票だけ取り外し手元に残します。そして「ゴミをちゃんと処分場まで運んだよ」という証拠に、運搬終了時に、このB2票を10日以内に排出事業者に返却します。B1票は収集運搬業者が保管します。
 
③中間処理業者
次に中間処理業者は、「ゴミをちゃんと処分したよ」という証拠に、処分終了後10日以内に、C2票を収集運搬業者に、D票を排出事業者に返却します。C1票は中間処理業者が保管します。
 
その後、中間処理した産業廃棄物が、最終処分場に運ばれ、処分が終了したら、中間処理業者から排出事業者E票が10日以内に返却されます。
 
ちなみに、例えば「がれき」などは、破砕処理(中間処理)後、有価物にリサイクルされるので、ここで処分が終了(最終処分)したことになります。
 

 

 
 
二次マニフェストとは?
 
中間処理以降の産業廃棄物については、中間処理業者が(仮の)排出事業者として、収集運搬業者や最終処分業者にマニフェストを交付します。
 
排出事業者が最初に交付するものを「一次マニフェスト、中間処理業者が交付するもの「二次マニフェストと呼びます。
 
ただし、あくまで最初にゴミを出した人が、最終処分(またはリサイクル)されるまで責任を持つことは変わりませんので、あしからず。
 
 
マニフェストの返却期限を厳守!
排出事業者がマニフェストを交付してから、各伝票が返却されてきますが、ただ待っているだけでいいわけではありません。
 
実は返却期限が定められています。
B2、D票・・・90日以内
E票   ・・・180日以内
 
つまり、もし返却期限を過ぎてしまう場合、排出事業者が速やかに収集運搬業者や中間処理業者に状況を確認するとともに、「措置報告書」というものを都道府県に報告しなければならないので要注意です。
 
これが「排出事業者責任」とよばれるものです。
 

最後まで気が抜けないですね

 

 

マニフェストの書き方

それでは具体的な記入方法を解説します。
 
マニフェストとは下にあるようなものです。

マニフェスト

<出典:公益社団法人 全国産業資源循環連合会ホームページ>
 
マニフェストの様式は、廃棄物処理法施行規則に定められていますが、これをベースにした伝票を関係団体などが作成しています。
 
記載事項についても、施行規則に定めてありますが、予めこの様式の通りに記載すればOKです。
 
記載事項は以下のとおりです。
交付年月日 マニフェストを交付した日付を記入
交付担当者 マニフェストの交付を担当した者を記入
排出事業者 排出事業者の氏名又は名称、住所、電話番号を記入
排出事業場 排出場の名称、所在地、電話番号を記入
産業廃棄物 排出する産業廃棄物の種類にチェック
数量 排出する産業廃棄物の数量を記入(単位はkg、㎥、車など))
荷姿 バラ積み、フレコンバッグ入りなど荷姿を記入
産業廃棄物の名称 廃棄物の概要が分かるように記入
有害物質等 有害物質が含まれている場合記入
処分方法 「破砕」「切断」「圧縮」など。産業廃棄物の処分方法を記入
中間処理産業廃棄物 中間処理業者が残さ物を処理委託する際に記入(1次マニフェストの場合は斜線)
最終処分の場所 最終処分する予定の場所を記入
運搬受託者 運搬を委託する収集運搬業者の名称などを記入
運搬先の事業場 契約している処分業者の事業場を記入
処分受託者 契約している処分業者の名称などを記入
積替え又は保管 積替保管を行う場合のみ記入
いずれも基本的なことばかりなので、虚偽の無いよう記載してください。
 
(参考)

www.zensanpairen.or.jp

マニフェストが不要なケースがあります!この記事をご覧ください。

 

tarokankyo.com

 

 

 

まとめ

 産業廃棄物のマニフェストの流や書き方について解説しましたが、理解を深められたでしょうか?

 

 廃棄物に関する規則は、非常に難解であり、わかりずらい部分もあり、また罰則も厳しいものです。事業者の方にとっては判断に迷うこともあると思いますが、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

 

 これからも廃棄物に携わる方が、スムーズに法令を理解できるよう、実務に活かせるよう記事を書いていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 

※本格的に廃棄物処理法を学びたい方は、この本は必須です。

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最後までご覧いただきありがとうございました。