ペロブスカイト太陽電池に関する企業の取組の紹介です。
2023年11月10日、中国のLONGi(ロンジ)が、ペロブスカイトと結晶シリコンによるタンデム型太陽電池セルにおいて、変換効率33.9%の世界新記録を達成したと発表しました。
※画像の出典:ロンジ(PRTIMES)
LONGi、ペロブスカイト/シリコン・タンデム太陽電池セルの変換効率で33.9%の世界新記録を達成
LONGi(ロンジ、本社:中国西安市)は11月3日、ペロブスカイトと結晶シリコンによるタンデム型太陽電池セルにおいて変換効率33.9%の世界新記録を達成したことを発表しました。この新記録は米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の最新の認証報告書に掲載されています。なお、ペロブスカイト/シリコン・タンデム太陽電池の世界記録更新は中国企業としては今回が初となります。
2023.11.10 ロンジ(PRTIMES)
LONGiってどんな会社?
中国の太陽光発電メーカーで、世界最大の単結晶モジュール専門企業です。2000年に設立され、研究開発から生産まで一貫して行っており、高い技術力を有しているようです。
今回の世界記録の樹立の前から、さまざまな記録を打ち立てています。
それまでの記録は33.7%。変換効率アップの熾烈な争い
本ニュースによると、それまでの記録は、2023年5月にサウジアラビアのアブドラ王立科学技術大学が達成した33.7%でした。実はそれよりも前に、LONGiは、同年6月14日に33.5%、5月24日には31.8%を達成しており、一位の座を取り返した格好になりました。
「タンデム型」、「単接合型」って?
今回、記録を達成した太陽電池セルは、「タンデム型」とよばれるものです。これとは異なる「単接合型」の結晶シリコン太陽電池でも、LONGiは2022年11月に世界最高の変換効率26.81%を達成しており、今回、「タンデム型」と「単接合型」の2冠達成となりました。
タンデム型とは、吸収する光の波長が異なる材料(光電変換層)を重ねたものであり、幅広い波長の光を吸収できるため、発電効率を向上させることができると言われています。
現在、次世代型の太陽電池として注目されているのが、ペロブスカイト太陽電池とシリコン系太陽電池の光電変換層を組み合わせた、タンデム型です。
ペロブスカイト太陽電池は可視光を強く吸収する一方、シリコン系太陽電池は可視光から赤外線まで幅広い波長を吸収する性質があり、両者を組み合わせることで、太陽光のほとんどすべての光を無駄なく使えるというわけです。
一方、単接合とはシリコンのみを使ったものです。
理論限界値43%に迫れるか?
LONGiの会長によると、今回のペロブスカイト/シリコン・タンデム太陽電池の発電効率は、理論値では43%だそうです。現在主流のシリコン系の理論値は29.4%と言われ、技術の向上に伴い、理論値に近づきつつあるそうです。
今回の新しい電池も理論値に近づくのは時間の問題かもしれません。発電効率の向上と生産コストの削減が進めば、太陽光発電もますます普及されますね。
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